事業

日本のTikTok Shop、ブランド担当者からよく聞かれる5つの質問

国内事例と最新の運用トレンドから考える
これからのTikTokコマース

TikTok Shop Japanで成果を出すための
5つのポイント


TikTok Shopが2025年6月30日に日本で正式提供を開始してから、
約1年が経過しました。

TikTok Shopは、ショート動画やLIVE配信を見ながら商品を発見し、
外部のECサイトへ移動することなく、
TikTokアプリ内で購入まで完結できるサービスです。

TikTokでは、この購買体験を
「ディスカバリーEコマース」と位置づけています。

日本でのサービス開始当初から、日清食品、ヤーマン、
ユニリーバ・ジャパン、ラコステジャパン、WEGOなど、
食品・美容・アパレルを中心とした企業が参入しました。

現在では大手企業だけでなく、
中小ブランドや海外ブランドにとっても、
新たな販売チャネルの一つとして注目されています。

一方で、TikTok Shopに出店するだけで、
すぐに商品が売れるわけではありません。

従来型ECでは、商品を探しているユーザーへ
商品を販売することが中心でした。

それに対してTikTok Shopでは、
動画を見ているユーザーに商品を発見してもらい、
興味や共感を購買につなげる設計が必要です。

今回は、日本市場への参入を検討するブランドから
特によく聞かれる5つの質問を、
国内事例と最近の運用トレンドを交えて解説します。



Q1.今から参入しても遅くありませんか?

結論から言えば、今からでも遅くありません。

ただし、サービス開始直後のような
「出店するだけで注目される段階」から、
運用の質によって成果に差が出る段階へ移りつつあります。

TikTok Shopの特徴は、知名度の高いブランドや
検索数の多い商品だけが有利とは限らない点です。

ショート動画やLIVE配信がユーザーのおすすめ欄に表示されれば、
これまでブランドを知らなかった人にも
商品を届けることができます。

そのため、新規ブランドや日本での知名度がまだ低い海外ブランドにも、
商品を発見してもらえる可能性があります。

一方で、現在は出店ブランドやクリエイターが増え、
投稿されるコンテンツの本数も増加しています。

今後は、単純に動画を投稿するだけではなく、

誰に商品を届けたいのか
商品のどの特徴を見せるのか
どのような場面で使用する商品なのか
視聴後にどのような行動を促すのか

といった設計が、これまで以上に重要になります。

TikTok Shopは、日本市場においてまだ成長過程にあります。

しかし、成果を左右するポイントは
「早く始めること」だけではありません。

継続的にコンテンツを制作し、
反応を確認しながら改善できる運用体制を作ることが、
より重要な段階に入っています。



Q2.どのような商品がTikTok Shopに向いていますか?

TikTok Shopでは、動画によって特徴や使用感を伝えやすい商品との
相性が良い傾向があります。

代表的なカテゴリーとしては、以下のような商品が挙げられます。

コスメ・スキンケア・美容機器
ファッション・アクセサリー
食品・飲料
日用品・生活雑貨
ヘルスケア商品
キッチン用品
使用前後の違いが分かりやすい商品

例えばコスメの場合、色味やテクスチャー、使用方法、
メイク前後の変化を短い動画の中で見せることができます。

食品であれば、調理シーンや食感、アレンジ方法、
実際に食べたときの反応を伝えられます。

ファッションでは、静止画の商品ページだけでは分かりにくい
サイズ感やシルエット、着回し方を見せることが可能です。

国内では、アパレルブランドの代表者が自ら出演し、
商品の特徴やブランドの背景を継続的に発信することで、
約2カ月半で1,800万円の売上を記録した事例も紹介されています。

この事例のポイントは、単純に商品画像を投稿したのではなく、
「誰が、なぜ、この商品を紹介しているのか」が伝わる
コンテンツを継続したことです。

TikTokでは、完成度の高い広告映像だけが
評価されるわけではありません。

ブランド担当者、開発者、販売スタッフ、クリエイターなどが登場し、
自分の言葉で商品の魅力を説明することで、
ユーザーの安心感や親近感につながる場合があります。

商品そのものの特徴だけでなく、
動画にしたときに「見せ場を作れるか」という観点から、
TikTok Shopとの相性を判断することが重要です。



Q3.LIVE配信は必ず実施しなければなりませんか?

TikTok Shopというと、長時間のLIVE配信で商品を販売する
イメージを持つ企業も多くあります。

しかし、必ずしもLIVE配信から
運用を始める必要はありません。

TikTok Shopの主な販売導線には、以下があります。

ショート動画からの購入
LIVE配信からの購入
ショップページからの購入
クリエイターの紹介動画からの購入

運用初期は、ショート動画を中心に商品の反応を検証し、
反応の良い商品や訴求方法が見つかった段階で、
LIVE配信へ広げる方法も有効です。

ショート動画には、投稿後も継続的に視聴される可能性があり、
複数の企画を比較しながら改善しやすいという特徴があります。

一方、LIVE配信では視聴者からの質問にその場で回答できるため、
サイズ、使用方法、成分、配送、返品など、
購入前の不安を解消しやすくなります。

最近では、LIVE配信とショート動画を別々に運用するのではなく、
相互に連動させる動きも進んでいます。

LIVE配信の中で反応の良かった場面を短い動画として再活用し、
一度の配信を複数のコンテンツへ展開することも可能です。

重要なのは、最初から大規模な配信設備や
長時間のLIVE体制を整えることではありません。

まずはショート動画で反応を確認し、
売れやすい商品や質問されやすいポイントを把握したうえで、
LIVE配信へ展開する方法が現実的です。



Q4.なぜクリエイターとの連携が重要なのですか?

TikTok Shopには、クリエイターが商品を紹介し、
売上に応じて成果報酬を受け取る
アフィリエイトの仕組みがあります。

セラーは商品をアフィリエイト対象として登録し、
クリエイターに紹介を依頼できます。

クリエイターはショート動画やLIVE配信に商品リンクを設置し、
そのコンテンツを経由して商品が購入されると
報酬を受け取ります。

この仕組みにより、ブランドがすべてのコンテンツを制作しなくても、
複数のクリエイターを通じて
商品との接点を増やすことができます。

ただし、フォロワー数が多いクリエイターに依頼すれば、
必ず商品が売れるわけではありません。

商品カテゴリーとの相性
普段の投稿内容
視聴者の年齢層や関心
商品説明の分かりやすさ
投稿頻度
過去の販売実績
コメント欄での反応

などを総合的に確認する必要があります。

最近では、少人数のクリエイターからテストを始め、
動画の視聴データや売上を確認しながら、
成果の良いクリエイターとの連携を強化する運用が重視されています。



Q5.TikTok Shopだけを運用すれば、売上は伸びますか?

TikTok Shopは、認知から購入までをアプリ内で完結できる
強力な販売チャネルです。

しかし、TikTok Shopだけですべてのブランド課題を
解決できるわけではありません。

動画を見て商品に興味を持ったユーザーが、
ブランド名を検索したり、公式サイトやInstagram、
Amazon、楽天市場、Qoo10などを確認することもあります。

そのため、TikTok Shopを単独の販売チャネルとして考えるのではなく、
ブランド全体の顧客接点の一つとして
設計する必要があります。

TikTokで商品を発見してもらう
クリエイター動画で使用感を伝える
LIVE配信で購入前の疑問を解消する
公式SNSでブランドの世界観を伝える
ECモールや口コミサイトでレビューを確認してもらう
ポップアップや店頭で商品を体験してもらう

このように複数の接点を連動させることで、
ユーザーの安心感と購買意欲を高められます。

特に海外ブランドの場合、日本語の商品説明、問い合わせ対応、
配送、返品、レビュー管理など、購入後の体験も重要です。



2026年のTikTok Shop運用で
注目したい3つのトレンド


1.「企業が作る広告」から
「人が説明するコンテンツ」へ

商品画像とキャッチコピーを並べるだけの動画よりも、
実際に人が登場し、商品を使いながら説明する
コンテンツの重要性が高まっています。

ブランド担当者、店舗スタッフ、代表者など、
商品について自分の言葉で話せる人を活用することが、
ブランドの信頼性や差別化につながります。


2.ショート動画・LIVE・
アフィリエイトの一体運用

現在は、一つの商品について公式動画を制作し、
クリエイターにも紹介してもらい、
反応の良い訴求をLIVE配信で深掘りするなど、
各施策を連動させる運用が重要になっています。


3.再生回数よりも
「売上につながった理由」を分析する

再生回数が多い動画が、
必ずしも売上の高い動画とは限りません。

商品リンクのクリック率
購入率
動画ごとの売上
クリエイターごとの成果
キャンセル率・返品率
新規顧客とリピーターの割合

などを確認し、どのコンテンツが
実際の購買につながったのかを分析する必要があります。



まとめ

TikTok Shopは、従来のECのように
「欲しい商品を検索して購入する場所」だけではありません。

ユーザーが動画やLIVE配信を楽しむ中で、
これまで知らなかった商品と出会い、
興味を持ち、そのまま購入できる点に大きな特徴があります。

一方で、出店しただけで自然に売上が生まれる仕組みではありません。

商品選定、ショート動画の企画、LIVE配信、
クリエイターとの連携、商品ページの整備、物流、
カスタマーサポートまで、一貫した運用体制が必要です。

今後、日本市場でも参入ブランドが増えるにつれ、
継続的にコンテンツを制作し、
データをもとに改善できるブランドが
成果を伸ばしていくと考えられます。



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